工法紹介ビジュアル

ロービングウォールⅡ工法 ロービングウォールⅡ工法

ロービングウォールⅡ工法は砂と安定化材の混合物の中に長繊維を強制的に混入した土構造物と、植生基材吹付工などで緑化する2種類からなる工法の一体施工方法の総称です。補強効果を有しかつ全面緑化が可能であるため、景観の保全を図ることができます。

ロービングウォールⅡ工法は
①『道路土工-切土工・斜面安定工指針(平成21年度版)』(公益社団法人日本道路協会)に示される『連続長繊維補強土工』です。
②『災害復旧工事の設計要領』(公益社団法人 全国防災協会)に示される『連続繊維補強土工』の一工法です。

特徴

1.

長繊維の混入により疑似粘着力とせん断強度が増加するため斜面安定上、十分な強度を有しています。
長繊維は耐化学薬品性と耐候性に優れているため、強度劣化がなく安定した品質を保ちます。

2.

凍結・融解試験を行い、ー20℃~20℃(北海道の気温を想定)をくり返しても強度低下がないことを確認しており、積雪寒冷地における多くの実績があります。

3.

既存の樹木など景観上保全する必要がある場合は、地形を改変することなく保護できます。
また、従来使用するセメントに代え、肥料に還元される非セメント系固化材を使用することにより、環境負荷の低減が可能です。

4.

貧栄養な補強土は、有機質に富む表面緑化工との一体化により、樹木の生育にも適した環境を提供します。また、特殊なアンカーバーの形状を利用して保水材や苗木を設置することで、根系を補強土中に伸長させることができます。

5.

モルタル吹付機に給糸装置を追加するだけであるため、可搬性に優れ、効率的な施工を図ることができます。また、下地処理等の従来行われていた人力作業が低減できるため、工期を短縮できます。

6.

エアの圧力によって給糸を行うため、最大160mの長距離圧送を可能とし、急傾斜地や長大斜面・のり面にも対応できます。

種類

のり面保護タイプ

1:0.5より緩いのり面勾配
造成厚さ20㎝

擁壁タイプ

1:0.5未満の急なのり面勾配
擁壁形状で造成

のり面安定タイプ

アンカー受圧板を組み込んだタイプ
造成厚さ20㎝

のり面保護タイプ(建設技術審査証明取得範囲)

のり面勾配1:0.5より緩いのり面に適用し、造成断面形状(造成厚さ)は20㎝を標準とします。

従来行われていたコンクリート擁壁工(もたれ式)・吹付枠工などと比べて、のり面の下地処理、型枠設置などの人力作業を低減させ、高能率な施工を可能とします。

擁壁タイプ(建設技術審査証明取得範囲)

のり面勾配1:0.5未満の急勾配で安定が確保できるのり面に適用します。
造成断面形状は基底部幅100~150cm、天端幅20~50㎝、高さは5m内外を標準とします。

対象のり面の勾配が、植物の生育限界勾配を超えている場合に擁壁形状で造成し、勾配補正を行うことにより、表面に永続的な緑化を行うことが可能となります。

従来行われていたコンクリート擁壁工(重力式)・コンクリートブロック擁壁工と比べてのり面の下地処理、床堀、栗石詰めなどの人力作業を低減させ、高能率な施工を可能とします。

のり面安定タイプ(ロックボルト工・グラウンドアンカー工併用)

造成厚さ20㎝の長繊維混入補強土吹付により全面被覆が可能な軽量で薄いアンカー受圧板を使用することから、アンカー工併用によるのり面の安定化、崩壊防止と全面緑化を同時に図ることが可能となり、周辺自然景観と一体化したのり面景観を形成することができます。

適用先

1.道路法面(一般道路、高速道路、林道、農道など)

2.ダム関連法面(ダムサイト、原石山、付帯道路、水位変動域など)

3.急傾斜地、斜面、山腹崩壊跡地

4.宅地・工場造成地、公園、ゴルフ場、鉄道などの法面

5.極強酸性地山(酸性硫酸塩土壌)の法面

6.EPS(発泡スチロール)軽量盛土の表面覆土

7.既設モルタル・コンクリート吹付面

8.既設法枠・アンカー受圧板の全面被覆

9.既設擁壁(間知石積、ブロック積など)の全面被覆